デジタルラジオとは

デジタルラジオ受信機器が徐々に増加してきました。auの携帯電話Ｗ４４ＳやピクセラのUSBワンセグチューナー PIX-ST050-PU0などがデジタルラジオ放送を受信できます。デジタルラジオ放送は、２００３年１０月から首都圏と近畿圏で実用化試験放送が始まっているのです。
デジタルラジオには、現在の中波ラジオやＦＭラジオにはない多くの特徴があります。次の「デジタルラジオ特徴」をご覧下さい。

デジタルラジオ特徴

現在はまだ実用化試験放送中で、アナログＴＶ放送帯域のＶＨＦ第７チャンネルが使われています。実は、このチャネルはＶＨＦアナログＴＶ放送では使われていない空きチャンネルだったので試験放送用に割り当てられました。
デジタル放送の特徴として受信できたときはノイズのない高音質が期待できます。伝送帯域はワンセグ放送と同じ１セグメントを使用した放送の他３セグメント放送も可能です。この広い伝送帯域を使ったいくつかの付加サービスが用意されています。
いわゆる「見えるラジオ」と言われる静止画や動画を放送することができたり、ＤＶＤ並の５．１ＣＨサラウンド放送も可能です。ワンセグ放送と同様に文字放送、データ放送を送出することも可能です。

デジタルラジオ対応機器

デジタルラジオはまだ実用化試験放送中ですので受信できる機器はほとんどありませんでした。しかし、auのワンセグケータイW44Sのほか、ピクセラのUSBデジタルTVチューナー(PIX-ST050-PU0)など徐々に増えてきました。
デジタルラジオ放送受信機は、技術的には確立されていますので、あとは各機器メーカーや放送局、監督官庁が積極的に普及を促進してもらいたいですね。

放送開始は

デジタルラジオ放送は現在実用化試験放送中です。当初予定では２０１１年に本放送が開始される予定でしたが、本放送開始が前倒しされる可能性もあります。
デジタルラジオ放送が地上デジタル放送やワンセグ放送よりも本放送開始が遅れるのは現状のＦＭラジオや中波ラジオ放送は停止されず、２０１１年以降も継続されることに関係します。現在、日本の電波事情は非常に逼迫し電波の帯域にほとんど空きがなく新たな放送や通信サービスが必要なときは、既存の放送や通信サービスを中止するか他の帯域に移動させるしかありません。
上図のように２０１１年には地上アナログＴＶ放送が終了するのでその空いた電波帯域をデジタルラジオ放送などに利用される予定ですが、総務省の電波有効利用方策委員会がどのような方針を出すかでデジタルラジオの割り当て帯域が見えてくるでしょう。

放送エリアは

実用化試験放送中でデジタルラジオが受信できるエリアは首都圏と大阪地区の一部に限られています。今年初めまでは首都圏では全世帯数の１／４程度でしたが、２月１９日に電波出力を２．４ＫＷに増強し、東京都はほぼ全域でデジタルラジオが受信できるようになりました。ただ、ＶＨＦ７チャネルはアナログＴＶ放送への影響からこれ以上の電波出力増強は困難なので、現在の電波を使っている限りはこれ以上の受信エリア拡大は望み薄です。
関東地区では、今回の電波出力増強に合わせて４月２日より新しい番組編成で放送されます。これまでの８チャンネルから９チャンネルに増加します。
特に積極的なのはＴＯＫＹＯ ＦＭで３セグメント放送など新しい放送方式にも積極的にトライします。ＣＭ放送も入る「本格放送」と銘打って着うたを放送波を使って配信する試みや、番組で紹介した楽曲をレーベルゲートで簡単に購入できるシステムなどが予定されています。